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ミラノの文化・芸術を中心にイタリアの隠れた魅力を探りつつ知的好奇心を刺激する
by yuma-milano

ミラノ中央駅21番線の意味

ミラノ中央駅21番線・・・この場所がミラノにとっては
重要な意味を持つが、知ってる人もそれほど多くはないだろう。


        (1930〜1940年頃のミラノ中央駅)

1944年1月30日605人のユダヤ系イタリア人がミラノ中央駅21番線
一斉に集められた。
止めてあった貨物列車にぎゅうぎゅうに詰め込められて、
静かに列車は発車した・・・
7日間の旅の行き先はアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所
この寒い、底冷えのするミラノから、雪が降り続くポーランドまでの、
立ったまま、食料も水もないまま、着の身着のまま、
子供達は何故こんなヒドい目にあうのか分からないまま、
605人がひしめき合う貨車の中は、想像を絶する
状況であったに違いない。


      (ミラノ中央駅21番線にある当時の貨車)

なんと1歳の赤ん坊から14歳までの子供達も40人ほどいたらしい。
そして最年長は88歳のDina/ディーナさんだった。
その中に当時13歳だった少女Liliana Segre/リリアーナ・セグレさんが
いる。


      (リリアーナ・セグレとお父さんのアルベルト)

彼女と一緒にお父さんもアウシュビッツへ。
2月6日にアウシュビッツへ着いた時に、生存者はすでに500人
病人や老人、赤ん坊は到着したその足でガス室へ送られたという。

そして息も絶え絶えにリリアーナとアルベルトはなんとか到着。
すぐに引き離されて離ればなれになり、
それ以後、リリアーナさんは父アルベルトに二度と
会う事は叶わなかった。

リリアーナさんはミラノ中央駅21番線から強制連行された605人中、
たった20人の生存者の中の一人である。


        (リリアーナ・セグレさん)

彼女は「忘れてはいけない歴史を、生きている限り、若い世代に
語っていきたい」と様々な場所で証言を繰り返している。



蛇足だが、イタリアの現代作家でユダヤ系の人は少なくない。
作家プリモ・レーヴィもアウシュビッツからの生還者であり、
彼の「Se questo e' un uomo:1947/
邦題:アウシュビッツは終わらない」では

 ー これが人間か?考えてみてほしい、泥にまみれて働き、
     平和を知らず、パンの欠片を争い、他人がうなずくだけで
     死に追いやられるのが・・・考えてみてほしい、
     こうした事実があったことを ー

という詩で始まっている。

プリモ・レーヴィは1944年2月22日にカルピ駅から
アウシュビッツへ送られ、化学者でもあった彼は
初めから強制労働に酷使されていた。
その他、アルベルト・モラヴィアナタリア・ギンズブルグ
詩人ウンベルト・サバもユダヤ系イタリア人だ。



このミラノ中央駅21番線(地上にある21番線ではなく、
駅の地下に当時使われていた別の線路がある。そこは1944年当時のまま
現在に至るまで放置されていた。)を「ホロコーストの歴史」に
関するメモリアル博物館にしようという計画が持ち上がっている。
すでに工事は始まっているようだが、予算500万ユーロを捻出するのは
簡単ではない。

寄付を募ったりしたが4万ユーロが集まったのみで、
博物館を完成させるにはまだまだ遠い。

 by Maki

by yuma-milano | 2012-01-31 23:40 | ミラノ - 縁の顔 - | Trackback | Comments(2)
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Commented by Navia at 2012-02-08 17:28 x
はじめまして。ネット検索をしていてこのブログにたどり着きました。濃い内容のブログとても興味深いです。これからじっくり過去記事もよませてもらいたいと思います。
お二人はイタリアの大学で歴史か何かを専攻されていたのでしょうか。お二人の興味のある説明に、今まで通り過ぎていた場所、ただ眺めていた場所に今度は知識を持って向かえそうです。ありがとうごじあます。
こんな素敵な内容のブログを書かれた時に参考にした本などの名前を一緒にUPしていただけたらとてもありがたいです。私も読んでみたいです。更新楽しみにしております。
Commented by yuma-milano at 2012-02-09 00:12
Naviaさん
コメントありがとうございました。
ミラノって、ローマやヴェネツィアなどに比べて
あまり有名な観光名所がないので、通り過ぎてしまう街なんですが
でもよーく見ると色々と「隠れた」魅力があるなぁと
思うんですね。だからそういう事を見つけてブログに
書いていけたら・・・と思って始めました。
私の場合は新聞記事などから読み拾ったりする事が
多いですが、これから何か参考文献みたいなものが
あれば、合わせてUPできたら、と思います。

かなり更新頻度が遅い(イタリア並み?:笑)ブログなんですが
これからもどうぞよろしくお願いします。
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